2015年度入社
専攻/大学院 工学研究科 機械工学専攻
さまざまな都市で運行中の鉄道車両の改造・リニューアル工事の施工管理をしています。具体的な業務は、工事コストの試算および収支管理、工事スケジュールの作成、施工会社の手配・発注・管理、部品の管理、工事の品質・安全管理など、多岐にわたります。基本的には施工管理者として内装のデザイン変更、新規設備の取付け、床下機器の更新、車両外板の塗り替えなど、様々な工事を統括管理します。営業、設計、調達、製造、品質保証をはじめとする社内の各部門や協力会社と連携しながら進めていきます。工事はお客さまの車両工場でおこないます。工事期間は1日で施工できるものから1~2ヶ月掛かるものまで様々で、1~2年ほど掛けて複数の編成に連続で工事していく場合もあります。複数の案件を並行して進めていくことが多いですね。
施工管理者の判断次第で、お客さまの満足度、社内の各部門の一体感が変わる。その責任の重さが、そのまま仕事のやりがいになっています。自分が担当した車両に乗ったとき、多くのお客さまを乗せて走っているのを見たときの達成感も、その延長線上にあるものです。ただ、そのためには、車体構造からシステムや電気回路、台車構造、インテリアやエクステリアまで、あらゆる分野の専門知識が必要です。私の得意分野は大学時代に専攻していた機械。その他の分野はこの部署に来てから学びはじめ、今も勉強を続けています。そして私の周囲にはどんなときも相談に乗ってくれる上司、問えば何でも教えてくれる技術者がいます。だからこそ、難易度の高い要望でも「大丈夫。なんとかなる」と思えるのです。
適切なリカバリーができたという意味で印象に残っているのは、生産管理部へ異動して最初に担当した改造案件。工事の終盤で床下に新機能を追加するために必要な部品が足りないことが発覚したのです。当然すべての部品が揃っていることを確認してから工事をスタートしたのですが、設計図面の手違いにより発注リストから漏れていたため、気づくことができませんでした。そこですぐに当該部品を発注したところ、メーカーの手違いで仕様の違う部品が到着。そこから再度、調達部門に連絡して正規の部品を発注。予定の工期内に工事を完了しました。不測の事態に直面したのは初めてでしたが、調達部門への連絡から工事手順の調整、メーカーに対する在庫確認と発注指示まで、冷静にリカバリーできたことが自信になりました。事前の確認を確実にしていかないとミスの連鎖を招くこともあると学んだ案件でもありますね。
エンジニアリングの専門知識と技術をさらに高めて、J-TRECに対するお客さま満足度の向上に貢献したいと考えています。現在、当社が製造する車両の使用期間は30~40年ほどですが、安心・安全に運行できる期間を可能な限り延ばしたいというのがお客さまの意向。それに応えるには、運行中の車両の改造やリニューアルの技術を今まで以上に高める必要があります。私自身の課題は電気系統の専門知識と技術が不足していること。学生時代から苦手意識が強かったのですが、それを克服しないことには、今、上司や先輩が進めている難易度の高い案件をスタートから一貫して担当するのは不可能。やるべきことは明確なので、一歩ずつ前に進んでお客さま満足度を高められる車両エンジニア業務のスペシャリストを目指します。