2018年度入社
専攻/材料工学専攻
側構体と呼ばれる車両の側面部分に施す電解作業が私の担当業務です。ステンレス車両の側面には多数のスポット溶接が行われていて、溶接後に残った圧痕の焼けあとを電解作業によって綺麗に仕上げていきます。時には他の班への応援としてsustina車両のドア部分にペンレーザー溶接を行うこともあり、入社1年目からさまざまな経験をさせてもらっていると思います。
sustina車両は一般的なステンレス車両よりもフラットな設計で、とても繊細な溶接技術が求められます。見た目の綺麗さは上手くできた・できないが自分でも判断しやすいので、先輩にコツを聞きながら、自分なりに試行錯誤して追求できる“ものづくりの楽しさ”を感じながら仕事しています。
ステンレス車両は無塗装でステンレスそのものがお客さまの目に見えることが多く、側構体が車両の最終的な見た目に直結しています。私の作業段階では、まだ1枚のステンレス板の状態ですが、その段階から仕上がりの美しさにこだわることが、最終的な車両の美しさにつながっていることにやりがいを感じます。入社して間もないですが、車両はたくさんの技術の集大成だと感じます。車種が変わる度に新しい発見や学びがあり、ものづくりが好きな人にはぴったりの環境だと思います。
就職先を考える上で“誰もが当たり前に利用しているもの”に携わりたいという思いがありました。電車や新幹線は私たちの生活にとても身近で日常を支えているものだと思いますし、車両製造であれば、日常での当たり前を維持するだけでなく、ものづくりを通してさらに発展させ、人々の生活を豊かにすることができるのではないかと考え入社を決めました。
入社して間もない頃にJ-TRECの“こだわり”を実感した出来事がありました。新人研修でプレス発表の準備を手伝っていた時のことです。私は製品に目隠し用のシールを貼る作業を任されたのですが、部長から「もっと丁寧に」と指摘を受けて、貼り直しをしてプレス発表を迎えました。プレス発表後、なんとお客さまから「(シールを)こんなに綺麗に貼ってくれてありがとう」とお褒めの言葉をいただいたのです。気づくか気づかないか分からないような小さな部分にも、お客さまを意識した作業を行う大切さを実感した瞬間でした。
車両製造には多くの人が関わっていますが、一人ひとりの小さなこだわりが高い品質につながると思うので、その一員として努力していきたいです。
入社前は何ひとつ現場作業に必要な資格はもっていませんでしたが、入社後に数多くの社内資格や外部資格を取得し、スキルアップを実感しています。資格取得によって業務範囲も広がり、それがものづくりのやりがいにつながっていると思うので、今後も自身のスキルを高め、より良い製品づくりに活かしていきたいと考えています。
当社には材料や溶接に関する技術研究に取り組む部署があるので、将来的には、大学院で学んだ材料工学の知識や現場の経験をふまえ、より進化した構体の開発に携わることが目標です。