
製造・運用・保守のあらゆる局面で、
より扱いやすい車両を設計する。
T.S
技術本部 設計部(台車設計)
2021年度入社
専攻/機械工学科
J-TRECを選んだ理由
部品メーカーにはない、完成車メーカーならではの魅力
大学時代は機械工学科に所属し、「乗り物」に限らず、機械工学全般を学んでいました。ただ、部活動で鳥人間コンテストに向けて機体作成や設計をしていたこともあり、乗り物などの「社会で使えるもの」を作れたら楽しいだろうなという気持ちがありました。そして就職活動のタイミングで、「鉄道」は社会インフラですし、自分の仕事が世の中の役に立つ実感を得やすいのではないかと考えたんです。なかでもJ-TRECは、部品メーカーではなく、完成車メーカーという点が魅力でした。自分の作ったものが世の中で使われていること、自分の仕事が人々の生活を支えていることを、自分の目で確認できる。それは、働く上で大きなやりがいになっています。

現在の仕事内容
通勤車両の「台車」の強度と配管位置を検討
私は現在、鉄道車両の台車(車体の下にある、鉄道車両が走行するための装置)の設計を担当しています。仕事内容の1つ目は台車枠(台車のフレーム部分)の「強度検討」。コンピュータによるシミュレーション解析と実物試験の結果を基に、強度的に問題がないかどうかを計算して確認する仕事です。台車は多くの人が利用する鉄道車両の走行安全性を担う重要な部位で、台車枠の損傷は大きな事故につながる可能性があります。お客さまから求められている台車の仕様に合わせて計算条件を変えながら計算し、強度的に危ない箇所は施工方法や形状の変更をします。
2つ目は、台車の「配管位置の検討」。ブレーキを空気制御するための空気管を、台車のどこにどう配置するかを検討・決定する仕事です。周りの部品に干渉しないかはもちろん、製造部門の作業者が溶接・配管組立しやすいかどうかまで配慮し、最適な配管位置を考えながら設計します。たとえば強度が十分でも、溶接部に手が届かないような狭くて深い構造はよくありません。業務では、自分の製造職場の経験を活かしながら、ときには現場に出向いて実物を見たり、製造部門の作業者の話を聞いて参考にしたりもします。設計者にとって、「現場を知る」ということは重要です。
私は国内向け車両に加え、アイルランドやフィリピンなど、海外向け車両にも携わっています。

やりがい、面白さを感じるとき
その時々の制約条件をクリアし、設計図を完成
それぞれの案件で、強度やサイズなどの制約条件があります。その課題を乗り越えるために過去の事例を探したり、資料を読んだり、周りに相談したりと、あらゆる手段を使って考えながら試行錯誤します。そして、ようやく形になったときには大きな達成感があります。さらに、納品された車両を日常の中で目にしたときは、「この車両は自分が携わってできたものだ」という実感とともに、やりがいを感じます。世の中で役立っている姿を見ることが、仕事に取り組む原動力になっています。

印象に残ったエピソード
台車の性能が伝わる「資料作成スキル」を磨く
設計部に配属されてまだ日が浅い頃、台車の強度計算と計算結果の資料作成を任されました。その案件では、計算の根拠となる書類がいくつもあり、計算自体のデータ量も多かったので、それを整理しつつ、うまくまとめることにとても苦労しました。さらに、やっとの思いで資料を完成させても、読み直してみると内容が理解しにくかったり、上司からも多くの指摘を受けてしまったり。意味や数値を、相手にわかりやすく、誤解なく伝えることの難しさを痛感した経験があります。その後、お客さまとの会議で、先輩が強度も含めた設計内容をわかりやすく丁寧に伝え、お客さまに納得していただく姿を見ました。そして、設計の技術的な知識はもちろん必要ですが、先輩のように「伝えたいことを伝えるスキル」も高めたいと思うようになりました。
入社前は、設計者は「いかによい車両を考えられるか」が重要だというイメージを持っていましたが、その性能を「いかにお客さまに承認いただくか」も大事だということに気が付きました。資料作成、設計会議、図面作成など、あらゆる局面で「説明する力」を意識しながら業務に取り組んでいます。

今後の目標
設計の工夫で、部品交換頻度やメンテナンス性に貢献
鉄道車両は長ければ何十年も運用される製品であり、途中で交換が必要な部品もあります。目標は、部品の交換頻度が低い台車、鉄道事業者さまがメンテナンスや分解のしやすい構造を、設計の工夫によって追求すること。また、お客さまにとって「安心・安全」で乗り心地がよく、鉄道事業者さまにとっても「運用」と「保守」の両面で扱いやすい、そんな車両を提供していきたいです。

1日のスケジュール
8:00 | 始業 | フレックスタイム制度を利用することも。通勤時間は1時間。メール確認と返信。 |
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8:30 | デスクワーク | 製品のCAD図面を作成。 |
11:00 | ミーティング | 台車設計部門内で業務報告や技術面での共有。 |
12:00 | 昼食 | 食堂で同期とおしゃべりしながらリラックス。 |
13:00 | デスクワーク | 設計内容を説明するための資料を作成。 |
14:00 | ミーティング | お客さまと設計会議。経過報告や仕様の説明を行う。 |
17:00 | デスクワーク | 議事録作成、メール確認と返信。 |
18:30 | 終業 |

オフの過ごし方
学生時代は陸上部に所属し、今でもランニングを続けています。仕事中は座っている時間が多いことと、友人とマラソン大会や駅伝によく出ることから、週末は欠かさず練習しています。みなとみらいのBAYWALK YOKOHAMAや社員寮のある三浦海岸のビーチ沿いなど、気持ちよく走れるランニングコースを開拓しています。
※取材対象者の所属・仕事内容は取材当時のものです