
目標は新幹線をつくること。
より難易度の高い仕事を
求めていく技術者でありたい。
H.K
生産本部 生産部 台車課
2022年度入社
専攻/運輸科
J-TRECを選んだ理由
長年にわたって受け継がれてきた技術と誇りを工場見学で感じた
幼い頃から好きだった鉄道に関わる仕事のなかで、少子高齢化や人口減少が進んでも必要とされ続ける仕事は何か。そう考えて車両メーカーを志望しました。J-TRECに決めたのは、工場見学時の印象がとても良かったからです。整理整頓が行き届いた工場で後輩に対する技術指導が丁寧に行われていたこと。そして、日本初のステンレス車両を開発した会社であることを知り、ここなら1年目から大きなやりがいと誇りを持って仕事ができると思いました。

現在の仕事内容
優先順位を考えて臨機応変に行動することが求められる職場
車両の床下に設置され「走る」「止まる」の役割を担う台車をつくっているのが台車課です。そこで私は、安全性と乗り心地に関わるサスペンションやブレーキ装置を台車に取り付けたり、完成した台車に車体を載せる「台車入れ」と呼ばれる作業を行っています。車両は首都圏で運用中の通勤車両が中心で、JR東日本グループ以外の鉄道事業者さまの車両も手がけています。作業スピードの目安は一両あたり7日間。「台車入れ」の完了日から逆算してスケジュールを組み、一両あたり2~4名のチームを編成して進めています。役割が決まっているわけではなく、誰かがブレーキを取り付けていたら自分はモーターを、という形で、状況に応じて変わります。手作業が多いこともあり、優先順位を考えて臨機応変に行動することが求められる職場と言えますね。

やりがい、面白さを感じるとき
台車は列車の安全走行を維持するための最も重要な装置
私は入社後の新入社員研修期間で初めて「台車入れ」に立ち会いました。多くの技術者が力を結集してつくりあげる、車両と台車を1つにする作業を任されるようになりたいと思い台車課への配属を志望。配属前から強い思いを持ち続けていたため、実際に「台車入れ」を担当した車両が多くのお客さまを乗せて走行しているのを見るたびに大きな達成感を覚えます。励みになるのは鉄道業界への就職を喜んでくれた親の言葉です。「今日、J-TRECが製造した車両に乗ってきたよ」と聞くと、本当に嬉しく、誇らしい気持ちになりますね。台車は列車の安全走行を維持するための最も重要な装置なので、入社2年目という早い時期からその重責を担えることが台車課の業務の魅力だと思っています。

印象に残ったエピソード
配属から2か月目、同期の誰よりも早くお客さまの工場での作業を経験
台車課では鉄道事業者さまの工場で作業する機会があり、私は配属から2か月目に先輩たちと長野県の車両基地へ出張。JR東日本の特急車両「あずさ」の空気ばねの交換作業をおこないました。空気ばねは車輪から車両に伝わる振動を大幅に軽減して乗り心地を良くするための部品で、一両につき4つ搭載されています。私たちの班は12両編成のうちの3両を担当し、ピットで車両を持ち上げて台車を外し、空気ばねを交換して台車を戻すという作業を1日がかりでおこないました。私にとっては初めての出張であり、いつもとは違う環境での作業なので緊張しましたが、先輩たちが「フォローするから、できることを見つけてやっていこう」と言ってくれたので最後まで落ち着いて作業ができました。一番の収穫は、お客さまの工場とJ-TRECの工場ではピットの深さや設備の配置など、さまざまな違いがあると知ったこと。比較することでそれぞれの良さが分かりましたので、この経験をいつか、工場の改善活動などに役立てたいですね。

今後の目標
技術力を磨き続け、いつかは新幹線の台車をつくってみたい
当面の目標は、できる作業を増やすことです。具体的には、車両を持ち上げるためのジャッキの操作や、車両を載せた後で台車に装着するセンサーの調整など。これらは工場における作業と走行の安全性に関わる最も重要な役割なので担当できる人が限られていますが、そこを任せてもらえるように技術力を高めていきたいですね。後輩もどんどん入ってくるので、これまでに経験したこと、習得した技術を分かりやすく伝えることができるようにならなければ、とも思っています。車両で言えば、やはり新幹線ですね。E7系新幹線の台車を担当した先輩からは「要求される技術レベルが通勤車両とはまるで違う」と聞いていますが、これはむしろ望むところ。技術者になったからにはより難易度の高い仕事を追い求めていきたいと思っています。

1日のスケジュール
8:00 | 始業 | 通勤時間は1時間。体操、朝礼の後、クレーンをはじめとする設備を点検。 |
---|---|---|
8:15 | 作業 | 最初の台車入れ。3~4名で手分けして作業する。 |
12:00 | 昼食 | 食堂を利用した後、工場の休憩室で過ごす。 |
13:00 | 作業 | 2両目の台車入れ。 |
15:30 | ミーティング | 新型車両の作業の流れ、チーム編成、役割などを決める。 |
16:00 | 作業 | すでに台車入れが完了している車両について、完成検査前の最終チェック。 |
16:30 | 作業 | 翌日の台車入れの準備。必要な部品や工具を確認する。 |
17:00 | 退社 |

オフの過ごし方
写真撮影に出かけることが多いですね。幼い頃から列車を撮るのが好きで、鉄道事業者のカレンダーに採用されたこともあります。社会人になってからは旅先の風景や街並みも撮るようになりました。
※取材対象者の所属・仕事内容は取材当時のものです